他人に対する思いやり

「人にしてあげたことは忘れる。人にしてもらったことは生涯忘れず恩を返すように」との格言があります。私もこの言葉を出来ないながらも実行しようと努めています。

そのため、ほとんど忘れかけていることですが、書かないと伝わらないので、思い出し、思い出し書いてみます。

 30年ほど前、ニュウヨーク在住の日系2世の姪が東京に留学しておりました。そんなに年の差がありませんでしたが、「おじさん」と呼ばれ、少し寂しい思いをしました。「お兄さん」と呼んでくれたら嬉しいのにと思いました。日本語の微妙な言い回しは難しいと感じました。

帰国する前に、留学生の友達5人で工場見学をしたいといい始めました。日産自動車やキリンビールの工場ではなく、最新鋭の半導体の工場を見たいと言うのでした。

私も法定監査で某電気工業の半導体工場にも監査で伺っていましたが、すでに監査法人を退職し独立開業しておりましたので、つてがありません、あまりに熱心頼まれるので、思い切ってそこの部長さんに電話をしてみました。ところが「どうぞ、来てください」との返事を頂きました。

引率して、訪問すると将来の日米の橋渡しのお役に立つならと、説明付で工場内を案内してくださいました。当時、日本の半導体の製造技術は最先端を行っており、普通はとても見せていただけるものありませんでした。留学生は大喜び、帰りの電車の中で大はしゃぎでした。

喜んでもらって、私も嬉しくなりました。

思い出して書きましたが、格言に従い私は忘れることにいたしました。