1.      中小企業における決算書を見る時のポイント

数字はウソつかない。を前提に見る。

決算書を見る時は、森を見て木を見る。



決算書は、1年間の取引を全て合計したものになります。改善点を直接的に見つけるためのものではなく、会社の全体を眺めて会社の状況を把握し、問題点があればもう少し詳細に見るようにする。問題点が見えてくればさらに詳細に見るようにする。この手順が大切になります。

 また、1年分だけではなく複数年で比較をする事でより状況の変化が見えやすくなります。



決算書で全体を眺めるとは、利益又は損失という結果に対してどこがどのくらい影響しているのかを知る所から始まります。 

ここで、見る数字は下記4項目の金額と率だけです。

    売上高 

    売上総利益(売上高-売上原価)と粗利益率(売上総利益/売上高)

    販売管理費と対粗利益率(販売管理費/売上総利益)

    税引前利益又は損失

 

   について

売上の分析は長くなってしまうので、次の機会にします。

   について

会社の稼ぎはこの売上総利益です。売上や売上原価はその要因であって本質的な稼ぎが増えているのか、減っているのか見ましょう。

また、粗利益率が上がっているのか下がっているのか見ましょう。

売上総利益が増加していれば、どの商品が稼いだのか考えてみましょう。

また、なぜその商品が稼いだのか、考えてみましょう。

粗利益率が下がっているのであれば、仕入金額で上がったものが無いかどうか、ロスが増えてないかチェックしましょう。

   について

販売管理費は、売上総利益を稼ぐための経費です。対粗利益率が上がっているのであれば効率的に稼げているという意味です。逆に下がっているのであれば効率が落ちている事を意味します。

販売管理費よりも売上総利益が大きい場合(赤字)には販売管理費の圧縮や内容の検討(費用対効果の検討)が必要になります。

   について

税引前利益は上記①~③までの結果です。



2.      中小企業における決算書の活かし方

上記1の見方で決算書で見れるようになれば活かし方は見えてくると思います。会社の結果(利益や損失)を見るためだけのものではなく、これから会社の利益を最大化するためにどこを改善すべきなのか、どこに力をいれるべきなのかの資料として活用すると、会社の経営も行いやすくなると思います。