私の所属するロータリークラブに公証人がおられました。

公証人は裁判官・検事など退官された方が、退職後10年間公証人役場を運営されるそうです。
公証人
Aさんはとても紳士で礼儀正しい方でした。

 ある時、クラブの会員が亡くなり、連絡網で告別式を知らせてきました。
私は参列するよう予定を立てました。
そんなところに、
Aさんから電話があり「貴方は参列されますか、参列されるなら、恐れ入れいりますが私の香典代を立替えていただけないでしょうか。」とおっしゃいました。
もちろん、よろしいですとご返事いたしました。

 お歳は10歳も年上で、しかも目上の方が、こんなに丁寧な言葉を使われるのに驚くと共に「実れば実るほど垂れる稲穂かな。」の諺を思い起こしました。

 それから、数日後、お会いした時「あの時は有難うございました。」とお礼と共に封筒をいただきました。

私は、そのままポケットにしまいました。そして、事務所に帰り、封筒を出したところ、

チャリンと音がします。足元を見ると何と500円玉が落ちています。

 そこで、しばらく考えました。すると、その500円玉は香典袋の代金だと気づきました。

何と、さりげなく、心配りのされる方かと敬服いたしました。

お聞きしますと全国の公証人会約400人の会員の会長をされていたそうです。

 素晴らしい人との出会いに感謝しています。

今では、引退されていますが、お元気に過ごされています。