8月、日本経済新聞の「私の履歴書」に自民党副総裁高村正彦氏が日本の政府開発援助について、書いておられました。

日本の対外援助は理念がなく、単なるばらまきとの批判がある。
貧しい人に施しをする欧米流の援助は、一見すると美談だが、それでは貧困はなくならない。
戦後の日本は世界銀行から借金をし、それを返そうと皆で必死に働いて高度成長を成し遂げた。
そうした経験を伝えるのが日本流の援助だ。
魚を与えるのではなく、釣竿を貸して釣り方を教える。
皆が自力で釣れるようになれば社会全体が豊かになる。

アジアの成功体験をアフリカにも広げる。
この理念はいまでは世界の援助の支流になりつつある。
要するに、日本はお手伝いしますが、あとは自分の頭で考えて行動しなければだめですよ、ということです。

 私は自分の子供に、考えることの大切さについて話してきたつもりです。人に指示されて行動するのではなく、自ら考え、責任をもって行動する。そんな人に成長してもらいたい。

それには、まず、じっくり考えることを習慣づける必要があると思ったからです。

 しかし、どこまで伝えることができたのか。反省点も多々あります。
そこで孫たちには接し方を変えてみることにしました。
たとえば、今年小学校
1年生になった孫には、こちらから教えてやるという意識を捨て「学校で習ったことをじいちゃんに教えてほしいなあ」ともちかけるのです。
すると孫は、いま勉強していることについて一生懸命考えながら話してくれます。

 孫世代の子供たちは、今後、技術開発の著しい、進化の速い社会に生きていくことになります。
だからこそ、状況が大きく変化しても、柔軟な思考で対処できる人間に成長してほしいと思います。
そして、他人を思いやることのできる人間に育ってほしいと願っています。