今月は、会社を経営していた父親が亡くなり、退職金を受けとった場合の税金について考えてみましょう。
被相続人が亡くなったあとで支給される退職金には、所得税と住民税はかかりません。そのかわり、死亡退職金は実質的に財産を相続したのと同様で、相続財産として相続税の課税対象となります。
ただし、先月ご説明した死亡保険金と同じように、
【法定相続人の数×500万円=非課税限度額】という非課税枠が設けられています。
例えば、法定相続人3人、退職金2000万円と仮定すると……
2,000万円 − 1,500万円 = 500万円
(退職金) (非課税限度額)(みなし相続税)
となり、500万円が相続財産に加えられます。
法定相続人には相続放棄した人も含まれますが、養子縁組の場合、実子がいれば養子1人、
実子がいなければ2人までを含めて計算することが決められています。
一方、会社経営者の場合は、会社の株式評価にも影響があることを忘れてはいけません。
株式会社Aの場合
死亡退職金2,000万円の支給が決定
例えば、父親が100%株式を所有していたとすると、A社の株式評価(純資産額方式)は5,000万円 から 3,000万円に下がります。
優良会社であれば、相応の退職金を受け取ることで会社の評価額を下げ、相続税を減額することができます。
月刊新松戸掲載
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